光回線を通信速度で比較したいと思ったときに、どういったところでどんなことを調べようとしますか?
インターネットで調べるというのを前提にすると、調べる内容は「通信速度」で、調べるところは「フレッツ光やau光などの回線業者のサイト」や「情報が整理されている比較サイト」が思いつくと思います。
もちろんそういったサイトでも回線速度が速い光回線を探すことができるかもしれません。でも、より確実に実際に使って速い光回線を探すためには、それで十分とは言えないんです。
え?どういうこと?それ以外どうしたらいいの?と疑問に思った人は先を読み進めてもらえれば、その理由が分かってもらえると思います。速度での比較に加えてここで解説したことを実践してもらえれば高速の光回線に限りなく近づくことができますのでぜひ読んでみてください。
そもそも光回線は大きく分けて「3つ」しかない
まず知っておいてもらいたいのは、光回線の通信速度は光回線サービスごとに違っているということです。
え?あんなにたくさんある光回線サービスでそれぞれ違うの?と思うかもしれませんが、安心してもらって大丈夫です。
「~光」や「~ひかり」という感じで色々な名前でいろいろな光回線サービスがあるのですごくややこしいのですが、実は日本国内には「光回線」の種類はたった3つしかないので、光回線の速度を比較するのはとても簡単です。
その3つというのは、
NTT東西が提供しているフレッツ光を中心とする光回線サービス。
下記の「auひかりグループ」と「NURO光」以外の光回線サービス(例:ドコモ光など)はほぼフレッツ光の回線を借りて各自名前をつけて「~光」という名前でサービスを提供しています。これは『光コラボ』と呼ばれていて100以上のサービスがありますが、すべてフレッツ光の回線です。
最高速度はフレッツ東日本は「フレッツ 光ネクスト ギガ」、西日本は「フレッツ 光ネクスト 隼」のプランなどで下りの最大は概ね1Gbpsです。
2.「auひかり」グループ-下り最大概ね1Gbps
KDDIが提供するau光を中心としたグループ。
関西地方の「eo光」、中部地方の「コミュファ光」も同グループ。
こちらも下り最大概ね1Gbps。
3.「NURO光」-下り最大概ね2Gbps
ソネットが関東地方のみで提供している「NURO光」。回線の貸し出しなどはしていません。下りは最大概ね2Gbpsで日本の光回線で最速の通信速度。さらに使えるところが限られている最速10Gbpsの「10G」という回線もある。
の3つになります。
数字だけで比較すると最速の光回線は「NURO光」
光回線は上の3つだけしかないので、これ以上細かく分けて速度を比較しても意味はありません。
分かりやすく言ってしまうと、「下り最速は2GbpsのNURO光。あとの光回線は下り最大概ね1Gbpsで同じ。」ということになります。
速度で比較して選ぶなら、NURO光が最速なので一番速い光回線が良いという人はNURO光で決まりです。ただ残念ながらNURO光はまだ関東にしかありません。しかも使える地域や住宅も限られているので、関東地方に住んでいる又はこれから関東地方に引越しする方で興味のある方は、NURO光が使えるエリアかというのと使える住宅なのかということを調べてみてください。
≫NURO光が使えるかどうかの確認は公式サイトで
NURO光には最速10Gbpsという超高速の光回線「10G」がありますが、かなり地域や住居が限定されるので他の光回線との比較では10Gではないプランの最速になる2Gbpsという速度を使っています。
関東地方以外の方や、関東地方でもNURO光が使えないエリアや住宅の方は「NTTフレッツ光グループ」か「auひかりグループ」を選ぶことになります。この2つはどちらも「下り最大概ね1Gbps」なので速度だけで比較するとどちらも同じということになります。
≫NURO光の詳しい説明はこちら
『最速』『最大』『概ね』の意味
速度が同じ2つの回線を詳しく見る前に、光回線の速度でよく広告や比較サイトなどで目にする「最速(または最大)概ね1Gbps」という言葉の意味を解説します。
「最速(または最大)概ね1Gbps」というのは「理論値で最大で1Gbps出ます」という意味で使われています。
「理論値で」という意味は「実際に測ってみて」という意味とは反対の意味で、あくまで計算上という意味です。計算上とわざわざ表現することが何を意味するかというと、実際にこの数字が出る可能性はほとんどないと言っていると考えてください。
また「最大」というのも同じ様な意味で使われています。最大でこの数字が出ることもありますという意味ですが、この数字もほぼ出ない数字と考えましょう。
光回線業者が発表している数字を比較しても意味がない
つまり、業者が発表している「最速概ねの速度」で比較するというのは、実際に出ない数字を比較することになるのであまり意味がないということになります。
そのうえ光回線の速度は、地域、プロバイダなどの環境に左右されることが多く、そういった要因で常に変動しています。
つまり、実際の通信速度を計測してすべて公表するというのはかなり難しく、逆に光回線を検討する人を混乱させてしまう可能性もあるので、「理論上最速の数字」を光回線サービスが公表することは仕方がないといえば仕方がないとも言えます。
光回線自体の速度が遅くなることはあまりない
マンションなどで共有している光回線を同時にみんなで使ったなどのケースは別として、実は光回線自体が遅くなるということはあまりありません。
光回線が遅くなる理由はプロバイダが影響するというケースがかなり多いです。光コラボではサービスを提供している会社がプロバイダもいっしょにやっているのでそれもプロバイダの影響に含まれることになります。
「Radishみんなの測定結果」というサイトで都道府県を指定して検索してもらうと分かりやすいのですが、同じ都道府県、同じプロバイダ、ほぼ同じ時刻で計測した結果がかなり近い通信速度になっています。逆に光回線が同じでもプロバイダが違うと計測した速度が違っていることが多いです。また同時刻でプロバイダは同じでも都道府県が違うと速度も違ってきます。
光回線そのものは安定して供給されていることが多いのですが、プロバイダはなかなかそういったことが難しく、各都道府県にあるプロバイダの環境によって通信速度が大きく違っているという事情があります。
プロバイダが遅くなる理由は混雑がほとんど
光回線が遅くなるのはプロバイダの影響がほとんだと説明しましたが、その中でも最も多いのが『混雑』が原因になります。
2016年にフレッツ光の回線を使った光コラボの「ドコモ光」や「ソフトバンク光」が携帯電話とのセット割引を全面に出して営業してかなりの数の契約をしたのですが、その後どうなったのかというと一部の地域で通信速度がかなり遅くなりユーザーの不満がかなり出ていました。
遅いと話題になったのは「ドコモ光」や「ソフトバンク光」だけで他のNTTのフレッツ光の回線を使っているサービスが遅くなったという話は出ていません。これが光回線自体が遅くなっているのではなく、プロバイダの混雑が原因で通信速度が遅くなるというのが分かる良い例だと言えます。
同じ様に契約者が多い有名なプロバイダの一部では、インターネットを使う人が多い時間帯に大幅に通信速度が低下するところがあります。
通信速度の比較はプロバイダも含めてする必要がある。けど公表されていません。
プロバイダがどのくらい混雑していて通信速度がどのくらいになっているかというのは非公表になっています。
プロバイダの容量というのは都道府県ごとにも違っていて、しかも時間帯ごとでも変化しているので、それを発表することは難しくまた発表するメリットがないので非公表でも仕方ないのかなという感じはあります。
また光回線業者に問い合わせても、「どのプロバイダも通信速度は同じです」と返答される様ですが、理論的にはどの会社も最速概ね最大1Gbpsということに加えて特定のプロバイダを有利にする様なことはしたくないという意図があってこういう返答になっている様です。
こうなると、「じゃあ速い光回線を使うためにできることはもうなくて、運任せしかないっていうこと?」となりそうですが、いくつかできることはあります。
快適な速度の光回線を選ぶためにできること
2.「フレッツ光グループ」はプロバイダ選びがポイント
ここまで光回線の通信速度が遅くなる原因はプロバイダの混雑が原因になる事がほとんどだと説明してきました。
ということは、できるだけ混雑していないところを選べば通信速度が遅くなる可能性も低くなるということになります。
そこで、まずできることは利用者が多いフレッツ光グループを避けること。もしフレッツ光グループしか選べなければ、混雑していないプロバイダを調べること。この2つが速い光回線を選ぶためにできることになります。
1.「auひかりグループ」か「NURO光」を選ぶ
光回線ではNTTフレッツ光が圧倒的なシェアで全体の7割を占めているので、NTTフレッツ光の人気のあるプロバイダや光コラボは混雑しやすいということになります。
なので「auひかりグループ」か「NURO光」を選んだ方が混雑する時間帯でも通信速度が落ちない可能性が高くなります。実際の通信速度を測るサイトでもauひかりやNURO光は十分な速度が出ている場合が多くなっています。ただ、この2つの光回線が使えない場合もありますが、その場合は次の2のケースを考えましょう。
2.「フレッツ光グループ」はプロバイダ選びがポイント
ここまでで解説してきましたが、フレッツ光グループを選ぶ場合で快適な通信環境を望むのであればプロバイダ選びがポイントになります。
「Radishみんなの測定結果」でプロバイダの実際に計測した通信速度が載っているので、回線種別で「光ファイバ(FTTH)」、キャリアは「フレッツ光」を選んだら「検索」。気になるプロバイダがある人は選んでから検索してみましょう。
快適にインターネットが使える通信速度が下り20Mbpsとされているので、20Mbps以下に頻繁になっているプロバイダがあれば避けた方が通信速度で悩まされる可能性は低くなります。ただ、フレッツ光グループを選ぶ場合は環境がガラっと変わる事もあるので、通信速度の上下が大きくなることはある程度は覚悟しておいた方が良いでしょう。
まとめ
光回線を業者が発表している通信速度で比較するだけでは速い光回線を選ぶのに十分ではありません。
光回線が遅くなる原因は光回線ではなくて、プロバイダ混雑が原因の事が多い。NTTフレッツ光グループは圧倒的に利用者の数が多く回線もプロバイダも混雑していることが多いので、auひかりかNURO光を選べば混雑を避けられる可能性が高く、実測値で見てもそのことが分かります。
もしNTTフレッツ光グループを使って通信速度も快適にしたいなら速度測定サイトでしっかりと下調べをしてからプロバイダや光コラボの会社を選ぶようにしましょう。
どこの業者も最速1Gbpsとか良いことばかりしか宣伝しないから実際使ってみるとがっかりなんてこともよく聞くよね。。。光回線が3つしかないとか、光回線の速度の比較だけじゃ速い回線を選ぶのには十分じゃないとか全然知られてないなぁ。ネットの速度でイライラしたくないからできるだけ混雑していなそうな光回線とプロバイダを選ぼうっと。