家族のいる家庭で光回線を選ぶときに大きなポイントになる『料金』。

いろいろなサイトや広告で「初年度の実質月額990円」などと大きく宣伝してあったり、「6万円キャッシュバック」などの高額のキャッシュバックや家電を大幅に割引するというのを目にしたことがある人も多いと思います。

ただ、そういったキャッシュバックや実質料金の宣伝はNTTやauが行っている訳ではなく代理店が行っていることが多いです。少し調べると分かるのですが、光回線の代理店は良心的なところばかりではありません。有料のオプションを付ける条件があったり、本当の月額料金は高額なのにもらえるか分からないキャッシュバックも含めた計算で「初年度実質月額」と表示してあたかも安い様に見せかけているところもあります。キャッシュバックを受けるために、「他に何人か光回線に加入する人を紹介すること」や、「継続して領収書をコピーして半年間送ること」という条件が小さく書いてあり、キャッシュバックがもらえずにトラブルになっている例もたくさんあります。

もちろん代理店の全てが悪いという訳ではなく中には良い業者もあります。ソニーの子会社が運営する「so-net」などの大手の代理店はキャッシュバックの条件も厳しくなく信頼感も高いので、もし光回線のキャッシュバックを利用したいのであればこういったところを利用しましょう。代理店のキャッシュバックを使うことで1年~2年ほどネット料金を実質ほぼ0円にすることもできます。

さらにキャッシュバックよりお得になる可能性があるのが、「携帯電話とのセット割」です。家族で2人以上同じ会社の携帯電話を使っているのであれば、携帯とのセット割引も一緒に考えることが絶対的に必要になっています。携帯電話のキャリア、家族の人数、契約している契約プランでも変わってきますが、携帯電話とのセット割で月々の料金が大幅に安くなったりむしろ無料よりさらにお得になってしまうこともあります。

家族の引っ越しの場合、単純に月額料金やキャッシュバックだけで計算せずに、携帯電話の割引も考えて全体で料金がお得かどうか考えることが重要です。もちろん、工事費や違約金なども計算に入れたうえで計算に入れて。

ここからは、通信環境やサービスなども考慮したうえで、家族での引越し先での光回線の選び方を料金をメインにして説明していきます。少し読んでもらえれば数年で何十万円もの節約になったりするので、お金なんて捨てるほどあるという人以外はぜひ一読してみてください(うらやましい!)。読むのには5分程度かかりますが、時給数十万円の価値があるかもしれません。

光回線を選ぶ前の注意としては、家族で集合住宅に住んでいる場合や戸建でも賃貸の場合、利用できる光回線が限られている場合があります。光回線をどこにするか検討する前に、家主か不動産仲介会社にすでに光回線が入っているか、入っている以外の光回線を入れられるか確認してください。確認しないで検討しても、選んだ光回線が導入できなかったということだと、検討する時間が無駄になってしまうのはもったいないので、ここはぜひお願いします。

カンタネット的に家族の引越でおススメなのは、料金を携帯電話とのセット割引ができる「Softbank光」「au光」「eo光」「NURO光」など。やはり家族の分まで割引となると数年で何十万も安くなるケースもあるので、これは大きいです。ただし、光コラボの「ドコモ光」と「Softbank光」はサービスはまだ期待しない方がよさそうなので、ネット環境にこだわるのであれば今のところは微妙。それ以外のサービスは通信環境も良好と評判です。ドコモに関してはほとんどお得にならないので、料金で考えるなら光コラボの「excite光」などが良いでしょう。

最も安くなる可能性が高いのは携帯電話と光回線のセット割引

2015年の春に光コラボというサービスがスタートして100社以上が参入したため、ただでさえ分かりにくい光回線の料金体系がさらに分かりにくくなりました。

ただ、この結果として携帯電話と光回線のセット割引が主要3社で全部で出そろいました。ドコモ以外では、家族で光回線を使う場合の割引額というのはかなり大きくなっています。

ほとんどのサイトなどではこの携帯電話とのセットでの割引を考慮していないので、1年で何万円も節約できるチャンスを逃してしまうことも。家族で光回線を選ぶなら、この割引は必ずチェックしておくべきです。特に料金を気にする人で、納得できるサービスがあれば割引が適用される光回線サービスを選びましょう。

では各携帯会社の割引を家族に焦点をあてて見て行きましょう。

au「スマートバリュー」

au携帯電話と光回線の割引「スマートバリュー」。光電話(月額500円)加入と、携帯のデータ定額サービス(LTEフラット含む・データ定額3のみ対象外)に加入していることを条件に、スマートバリュー対象の光回線サービスとセットにするだけで携帯の料金が回線ごとに、1,410円または2,000円(3年目以降は980円)も割引されてしまうという割引。しかも人数ではなく回線ごとということにも注目。

例えば家族が4人で全員がLTEフラットを契約していた場合、月々1,410円が家族4人分が割引されます。割引額は月5,640円で年だと6万7,680円とかなりの額が節約できることになります。

また、ドコモの割引は初めの1年で終わりですが、auのスマートバリューでは2年間が割引額が大きく、3年目以降も月々980円が値引きされるので、4人家族で4回線なら月3,920円で年4万7,040円も割引になります。さらにこれが5年続いたら総額で27万6,480円というかなりの額の割引に。正直ここまで割引があるなら、携帯を光回線に合わせてauにしまうというのもありかと思います。

家族のいる家庭の場合は、光回線をひいたら光電話も使う人が多い訳ですし、これだけの割引があるなら光電話加入の条件は特に気にする必要はないと思います。

あとはauひかりの工事費がほかよりも2万円弱高くなっていますが、スマートバリューの割引額が大きいのでそれでもauとスマートバリューの組み合わせはかなりの節約効果があります。

対象の光回線サービスは、「auひかり(関東、北海道、九州、四国など)」「auひかりちゅら(沖縄)」だけでなく、「eo光(関西)」「コミュファ光(中部)」「ピカラ光(四国)」「メガ・エッグ(中国地方)」「BBIQ(九州)」。光回線以外だとケーブルテレビの「J:com」のネット回線でもスマートバリューが適用されます。

光回線の速度などの環境もNTTとは別の独自の光回線を持っているので、混雑が無く、快適な環境という評判が多いのもポイントです。弱点としては提供エリアが全国どこでもという訳ではなく、回線がひけない場合があるということです。

ソフトバンク「スマート値引き」

ソフトバンクの携帯電話とSoftbank光のセット割引の「スマート値引き」は、光電話を含む3つのオプションに加入することと(計500円)、携帯のデータ定額サービスに加入していることを条件に、家族一人につき最大2,000円の携帯電話料金を2年間値引きする割引(3年目以降も500円~1,008円の値引きあり)。値引きは1回線ごとではなく、家族一人につきというのがauとの違い。

節約できる額はauとほぼ同じ。データ定額が「データ定額パック・大容量」が2,000円、「データ定額パック・標準」1,410円、それ以外だと値引き額が500円となります。auのスマートバリューとの違いはパケット定額が小容量(2G)でも500円は値引きしてくれるところ。Softbank光が少々高いので、3人家族くらいからようやくお得と言える感じの割引額になってきます(笑)。

3人以上の家族であれば、光コラボの安いサービスとくらべてもスマート割引を適用させた方が安くなることが多いと思います。

通信環境やサービスでは、Softbank光の評判は現時点ではあまり良くありません。ただし、NTTの光回線自体は悪いものではないのと、光コラボは始まったばかりなのでソフトバンク次第では今後改善される余地はあると思います。

通信環境にもこだわりたいという人は、スマート値引きが適用されるso-netの提供する「NURO光」も加入できるのであればオススメ。実際に使っている人からの評判も高く料金も安い光回線サービス。エリアがまだまだ広がっていないのですが、ダメ元で加入できるか聞いてみる価値はあります。

NTTドコモ「ドコモ光パック」

ドコモの光回線サービス「ドコモ光」とのセット割引「ドコモ光パック」の内容は一部の人を除いてそこまで大きなメリットがありません。

ドコモ光の割引はauひかりやSoftbank光と違い、契約回線が多かったり家族が多ければ割引額が大きくなるという訳ではないということに注意です。

ドコモ光の割引は、携帯の契約プランのパケット定額サービスが大きければ大きいほど割引されるというかなり分かりづらい方式になっています。さらに最高額でも、戸建てでシェアパック30を契約している家庭で3,200円。しかも1年だけの割引で、2年目からは通常料金になるなど、ほかの携帯会社と比べて内容がかなりショボいです...。

しかも、集合住宅の人数次第ではフレッツ光よりも高い月額料金になってしまうというおまけ付き。それにも関わらず安いという話が先行して申し込みが殺到している様で、サービスが追いついていないと話題になっています。

この内容なら同じNTTの光回線を使う光コラボの「excite光」など月額料金が安い光回線サービスに申し込んだ方が最終的に安くなるのに...。という感じのセット割引です。

携帯電話とのセット割が使えない場合

そもそもセット割の効果がほとんどないドコモや、auやソフトバンクで割引の対象になる光回線がひけない場合、NTTの光回線を使うサービス(光コラボ)から安いところを使うだけでも節約効果はかなりあります。

例えば光コラボ最安値の「excite光」の場合、戸建で月額4,360円、集合住宅は月額3,360円になります。これは光回線とプロバイダ込みの総額です。もちろん回線はNTTのフレッツ光と同じ回線を使います。

NTTフレッツ光でプロバイダをexciteを別にしていると、戸建で5,700円、集合住宅は3,750円(8契約以下)となるので、料金的なことを考えるとexicite光の方がお得になります。(※16契約以上のマンションはほぼ同額です)

光コラボは現在のところ通信速度が遅かったり、サービス対応の満足度がかなり低いようですが、家計的に料金を考えるとやはりかなりの節約になると思うので、家族の引越で携帯電話とのセット割が使えない場合に考えておくべき選択肢だと思います。

短期で解約しなければいけなくなったとき

短期で解約すると気になるのは、違約金や工事費などが無駄な出費になってしまうのではないかということです。そこで、1年ほどで解約した場合の違約金や工事費も含めて携帯電話と光回線のセット割はどうなのか計算してみました。

ドコモ光は一般的なプランの契約で1年で解約すると、光コラボ最安のexcite光と比べて1万円以上の損になります。さきほど触れましたが、ドコモ光自体の割引がかなり微妙なので、料金的な面から見るとドコモ光パックにする意味はほとんどありません。

auスマートバリューは1年で解約した時にかかる費用はexcite光とほぼ同じくらいで、ソフトバンク光はむしろ2~3万円ほど安くなる(要再確認)ので、もし1年ほどの短期で解約することになってしまっても違約金と工事費で大きく損してしまうことはありませんし、むしろSoftbank光はだいぶ安あがりになることがわかります。

auとソフトバンクは家族で割引になる光回線と携帯料金のセット割は節約効果が大きいので、違約金や工事費は気にしないで申し込んでも問題ありません。

家族がいる人向けの光回線の選び方のまとめ

料金重視で家族割を使えるのであれば、携帯会社の家族割を利用しましょう。ただし、割引額が少ないのに1年で割引が終わってしまうドコモの割引は光回線を長く使うのであればほかの安い光回線より高くついてしまう可能性もあります。auとソフトバンクはかなりの節約効果があるので、積極的に使う価値があります。

携帯と光回線のセット割が使えない場合は、so-netなどのキャッシュバックを利用するか、excite光などの光コラボのサービスを利用すると、フレッツ光の回線を使いながらもNTTで申し込むより安くなる可能性が大きくなります。au携帯ユーザーでauひかりのエリア外でもso-netでフレッツ光を申し込むと割引があるのも注目。