固定回線を通信速度で選ぶ場合、どの様に選んだら良いのでしょうか。
実際の通信速度というのは使用する地域の状況やプロバイダなどによって左右されてしまうので、開通して通信してみるまで正確な速度というのは分かりません。正確な速度が分からないということは、固定回線を選ぶ場合は回線業者が公開している最大速度から選ぶしか方法がないということになります。
さらに、業者によって公開されている通信速度は「ベストエフォート」と言って、最大でこのくらいの速度が出る可能性があるという値ですので「下り最大100Mbps」と書いてあるからと言って全ての家庭なや職場で業者が公表している最大速度がでるという訳ではありません。むしろその半分~3分の1いけば良い方という感じで考えておきましょう。
固定回線を通信速度で選ぶ場合、この2つのことをしっかりと認識したうえで選ぶことが大切です。
もしすでに固定回線があって、通信速度で悩んでいるという方の場合は、改善するためにできることがあるので、こちらの記事を参考にしてください。
固定回線は大きく分けて3種類
固定回線には「光回線」「ケーブテレビ(CATV)」「ADSL」の3種類があり、一般的には光回線が一番速いのは知っていてるけどあとはよく分からないという感じだと思います。
ぶっちゃけてしまうと、「光回線」を選んでもらえば通信回線の速度で悩まされることはほとんどないので、「ややこしい話は読みたくない!」という人は「どこでも良いので光回線」を申し込んでもらえたら速度に関してはそこまで不満を感じることはありません。
ここからは、もっと知りたいという人だけ通信速度の話を掘り下げて行きましょう。
光回線とケーブルテレビとADSLの通信速度の違い
光回線がネット回線では一番速く、次に速いのはケーブルテレビです。ケーブルテレビは集合住宅で初めから設置されているところも多く、最大で320Mbpsと数字上ではかなりの通信速度になっています。5Mbps以上あれば高画質動画も観られるほどの通信速度なので、光回線ほど速くなくても十分な通信速度です。
当サイト運営者はマンションのJ:comのケーブルテレビ回線で遅い時は20Mbps程度ですが、高画質の動画の視聴でも全く不自由を感じたことがありません。
固定回線で一番遅いのはADSLで、最速の契約で50Mbpsとなっていますが実際に計ってみたら5Mbps以下ということもあります。動画などを観ないというのであればこの数字でも問題ないと思いますが、ネットでちょっと重い通信をするのにはストレスを感じる速度です。
光回線とケーブルテレビは回線業者が違うと速度が違うことも
「光回線」とひとまとめにされていますが、光回線の中にも『フレッツ光』『auひかり』『eo光(関西方面のみ)』『NURO光(主要都市のみ)』などの種類があり、回線業者によって通信速度の速さが違うことはあまり知られていません。
参考に下記の表を見ていきましょう。
回線サービス名 | 通信速度 ※最大値 |
|
---|---|---|
光回線 | NTT フレッツ光 | 100Mbps~1Gbps |
auひかり | 70Mbps~1Gbps | |
eo光 | 100Mbpsか1Gbps | |
NURO光 | 2Gbps |
通信速度は全て業者が公開している「下り」の「最大」速度を記載しています。
通信速度の違いは、光回線に「NTT」と「KDDI」の2つの種類があることと、通信方式が違うことが影響しています。
「フレッツ光」と「auひかり」は光回線その物が違うので速度が違います。
「フレッツ光」と「NURO光」は同じNTTの光回線を使っているのですが、通信方式が違うのでNURO光の方が最大の通信速度が速くなっています。
ケーブルテレビもケーブルテレビごとに回線が違うのですが、あまりにケーブルテレビ事業者が多くここで解説すると大変なことになるのでそこまでは解説しません。
ADSLは光回線とは違い、どの回線業者にしても同じ「NTTのADSL回線」を使っているので通信速度やプランに違いがありません。
さらに同じ回線業者内でもプランによって速度が違うことも
回線業者によって通信速度が違うケースを見てきましたが、同じ回線業者内でも契約プランによって通信速度が違うケースもあります。
最大手のNTTのフレッツ光も契約プランで速度が違うシステムで、超高速の「フレッツ光ネクスト ギガ」と高速の「フレッツ光ネクスト ハイスピード」、通信量が少ない人のための「フレッツ光ライト」のプランがあり、それぞれに速度が違うという状況になっています。
ここは文章だけだと分かりにくいいので、NTT東日本のフレッツ光のプランを下記の表で確認していきましょう。
プラン | 通信速度 ※最大値 |
料金 | |
---|---|---|---|
フレッツ光 (東日本) |
フレッツ 光ネクスト ギガファミリー・スマートタイプ |
最大概ね 1Gbps |
5,000円程度 |
フレッツ 光ネクスト ギガマンション・スマートタイプ |
最大概ね 1Gbps |
4,000円程度 | |
フレッツ 光ネクスト ファミリー・ハイスピードタイプ |
最大 200Mbps |
5,000円程度 | |
フレッツ 光ネクスト マンション・ハイスピードタイプ |
最大 200Mbps |
3,200円程度 | |
フレッツ 光ライトプラス (通信量で料金が上る) |
最大 100Mbps |
4,200円~ | |
フレッツ 光ライト ファミリータイプ (通信量で料金が上る) |
最大 100Mbps |
2,700円~ |
この表を見てもらうと、同じフレッツ光の中でも「ギガ」「ハイスピード」「ライト」で通信の最大速度が違っていることが分かります。
フレッツ光のプランは、速度が上がると料金も上がるという方式です。こういったプラン設定をしているのは、フレッツ光のほかにケーブルテレビの「J:com」、「Yahoo!BB ADSL」などがありますが、そのほかにはあまりありません。
ちなみに上の例は「NTT東日本」のプラン名で、NTT西日本では「フレッツ 光ネクスト ギガファミリー・スマートタイプ」は、「フレッツ 光ネクスト ファミリー・スーパーハイスピードタイプ 隼」という名前になります。なぜか一番速いプランだけ名前が違うのですが、どちらも下り最大1Mbpsと内容は同じプランです。
→NTT西日本については、こちらの記事でより詳しく書いてあります。
まとめ
ここまで通信速度からの固定回線の選び方ついて解説してきましたが、最終的に言えるのは業者が公開しているスピードはあくまで最大のスピードで、実際の速度は契約して使ってみなければ分からないということです。
いくら自分で一生懸命に選んだ固定回線でも実際に使ってみたら遅かったということもありますし、また予想外に早かったということもありえます。
なので、どうしてもADSLを導入したいんだというのであれば止めませんが、通信速度を気にするのであればまずは「光回線」、次に「ケーブルテレビ」という優先度になります。
通信速度は速ければ速いほどネットが快適になると思っている人もいるかと思いますが、遅い夜間で5Mbps出れば高画質動画もそれほどストレスなく観られますし、インターネットのヘビーユーザーでも満足できると思いうので、余程のこだわりがなければ、あとは料金で決めるのもありでしょう。
もし選んだ固定回線が遅いということになってしまったら原因は回線以外の事も考えられるので、こちらの記事を参考にしてください。
ネットの固定回線って広告で「1Gbps」とか書いてあるから、てっきり自分の環境でもそうなるのかと思ったけどそうでもないし、ある程度の速度があればそれ以上は意味がないんだね。体感できない通信速度にお金を払うのももったいないから節約して旅行でも行こうかな。