2015年の春にNTTの光回線の卸売(光コラボ)が始まったり、携帯電話とのセット割引が拡大したことで単身一人暮らしの引越先でのインターネット固定通信回線の選び方が大きく変わっています。

光コラボが始まったことでインターネット固定通信サービスは100以上とかなりの乱立状態になり、単身一人暮らしの引っ越し先でどの固定回線を選べば良いか一部の詳しい人を除いてほとんどの人が分からないと思います。

こんなに複雑になっているものが分かるのは相当なネット固定回線マニアしかいないというのが現実です。

そこで、管理人が単身一人暮らしで引っ越しをした人のために最新の固定通信の選び方についてできるだけ簡単にまとめてみました。

ネットの固定回線サービスなんて全然分からないという人でもこのページを読めば自分で選べるようになるので、ちょっとお付き合いください。

いやもう読みたくないという人はNTTの「フレッツ光」に申し込んでもらえばそれで終わりです...。が、せっかく当サイトに来て頂いたので5分ほど我慢してもらえれば、料金やネット環境などあなたに最適なネットサービスを選ぶことができるようになります。

単身一人暮らしの引越で選べる固定回線は2種類

単身の引越先で選択肢に入る固定通信には、「光回線」と「ADSL」と「ケーブルテレビ(以下CATV)」の3種類があります。

※移動体通信(WiMAX、ポケットWi-Fiなどのポータブル通信)を単身一人暮らしの引越先で使いたいという人はこちらのページへ

光回線で有名なのは「フレッツ光」「auひかり」「eoひかり(関西のみ)」「NURO光」など。

ADSLは、「フレッツ・ADSL」「ヤフーBB」「楽天ブロードバンド」「ワイモバイル」など。

CATVでは「J:com」が一番有名で、あとは各地方のケーブルテレビでネット接続サービスを展開しているところもあります。

光回線はADSL回線に比べて圧倒的に通信スピードが速いですが、集合住宅では元から入っている住宅以外だと工事費が高くなったり、導入ができない場合もあります。

CATVはADSLより早いのですが、集合住宅の場合はすでに導入されているところ以外では建物自体の工事が必要になるため、大家さんと交渉することになります。

ADSLは、通信スピードは光に比べるとかなり遅いですが、低画質の動画やサイト閲覧くらいなら違和感なくできます。YouTubeや動画サービスの高画質な動画を観たり、オンラインゲームをする人には向きません。電話線を使っているので工事は光と比べると簡単に終わりますが、フレッツADSLの場合は電話加入権が必要になります。

※NTTのフレッツADSLは2016年6月30日に新規の申し込みは終了となることが発表されています。

どちらも開通には工事が必要なので、単身の人は工事の日に家にいる必要があります。仕事や学業で平日は家にいることが難しいという人でも、数千円プラスすれば土日工事にすることもできます。

料金

何となく通信速度が速い方が月額の料金が高いというイメージがありますよね。基本的には間違っていませんが、月額料金と通信速度の関係はほぼないと考えてください。

まず一つの例としては集合住宅で加入者が多い場合です。単身一人暮らしの人が引っ越すと思われるマンションやアパートなどの集合住宅では、加入している戸数に応じて月額料金や工事費などが割引になります。

例えばNTT東日本のフレッツ光の場合、基本は3,000円台後半ですが16契約以上のマンションやアパートなら2,000円台後半になるので、ほかの光回線や通信速度が遅いケーブルテレビやADSLを引くのと同じくらいか、より安くなるケースは多くなります。

また、当サイト管理人のマンションはj:com(ケーブルテレビ)なんですが、600世帯近い大規模マンションなのでかなりの割引がされています。NTT以外のサービスでも割引があることもあるので、管理会社または大家さんに聞いてみてください。

ADSLについては、光回線に比べて料金的に安いと思いがちですが、NTTのフレッツADSLの場合には基本的に4万円ほどする電話加入権が必要になるので、これはかなりの負担です。

単身一人暮らしでは電話加入権をもっていないという人も多いと思いますが、月々の料金に200円ほど上乗せして使える「加入電話ライトプラン」というのもあるので、加入権を持っていない人でADSLを申し込みたいという人には良い選択肢になります。

「楽天ブロードバンド」「ヤフーBB」は電話加入権がなくても利用することができるところもありますが、月額の料金が1,000~2,000円も高くなってしまうので、これはもう料金的に集合住宅の光回線とほぼ変わらないどころか高くついてしまうこともありそうです...。

ADSLは電話加入権を持っていなければ、光と比べて料金がそれほど安くなるということはないんです。これ結構盲点です。

ADSLについてはサービスが縮小傾向で、NTTも2016年の6月で新規の申し込みを停止するそうです。もしそれでもADSLに申し込むという方は、無くなりつつあるサービスということを心して申し込んでください。

本当は安くならないことも。携帯電話とのセット割引に注意

auなら「auひかり」「J:com」「eo光」とセットの『スマートバリュー』、ドコモは「ドコモ光」とセットの『ドコモ光パック』、ソフトバンクは「Softbank光」「ホワイトBB」のセットの『スマート値引き』というサービスで、携帯電話との組み合わせで携帯電話の料金の割引、新規のスマホが割引で買えるなどの割引があります。

auのスマートバリューは携帯1回線ごとに割引が適用されるので、単身一人暮らしで1回線だけでも携帯電話料金から1,000~1,500円ほど割引がされます。携帯のデータ定額サービス(LTEフラット含む・データ定額3のみ対象外)に入っている人なら、年間2万円近くが節約できることになります。2回線持っている人でも1回線目と同じ割引が適用されるのも他にはありません。負担するオプションは光電話の月額500円のみ、光電話に加入する人なら文句なし、加入したくない人でも適用する方がお得になります。

ソフトバンクのスマート値引きは、最大で一人2,000円の割引になるものの最大割引の条件は「スマ放題で5G以上の定額パックに入っていること」と厳しく、それ以外はわずか500円の割引。しかもこれは加入必須のオプション料金が500円になるため、実質の割引額はなしとなります。ただ家族割に入っている家族に対して住所が同じでなくても割引が適用されるので、ソフトバンクに加入している家族の人にも適用すればその分は安くなります。

ドコモ光のドコモ光パックは、光回線とプロバイダがセットで最大で3,200円の割引が受けられるというサービス。1,000円からネットができるという宣伝文句もあるのですが、割引の対象は携帯電話料金の方です。単身の一人暮らしの場合は最大でも1,000円の割引で3,200円の割引はありません。一番高いデータLパックに入っていれば1,000円の割引があります。

安くなる、安くなるとテレビや家電量販店で盛んに携帯電話とのセット割引の勧誘をしていますが、無条件に安くなる訳でなありません。実際に安くなるかは自分が契約している携帯のプラン次第になります。申し込みを検討している人は実際にどのくらい安くなるのかは必ずシミュレーションをしてもらうのは必須。工事費もあるので、最悪だと実際は割引どころか割増になることも考えられます。

au
「スマートバリュー」
最大一人当たり2,000円割引 光回線とのセットで同一請求の各人の携帯料金から最大2,000円が割引されます。単身はもちろん家族が増えるのであればかなりお得。「auひかり」「eoひかり」「j:com」が対象。
ソフトバンク
「スマート値引き」
最大一人当たり2,000円割引 光回線とのセットで住所が違っても家族割などが入っている人全員の携帯月額料金から最大2,000円が割引されます。ただし、携帯電話で5G以上のスマ放題の標準パック以上に入っていなければ、割引額と加入必須のオプションが同額なので割引にならない。家族割になっている人の割引分は安くなります。「Softbank光」「NURO光」が対象。
NTTドコモ
「ドコモ光パック」
最安1,000円でネット利用可 NTTドコモは割引ではなく、一番高いパケットプランを使っていれば最安1,000円から光回線が使えるというセット割引。しかも家族家族が増えても割引額が増える訳ではないので、家族が増える予定があるなら割引額は少なくなります。「ドコモ光」が対象。

光コラボで節約できる?

単身一人暮らしで、NTTの光回線を使いたいというのであれば光コラボを選ぶことで月々のネット回線使用料を節約することができる場合があります。

光コラボはプロバイダーなどのサービス提供会社がNTTから光回線を借りて請求もサポートもNTTではなく提供会社が行う光回線サービスで、光回線自体はNTTのフレッツ光と同じ回線を使いながら価格がNTTで申し込むよりも安くなることも。

フレッツ光はプロバイダによって回線の速度に差があるので、それでも良いからNTTの光回線の方が良いという人は、月額で1,000円近く安くなるので必ず確認して置いたほうが良いサービスです。

こちらで光コラボの料金一覧を掲載しているので、使いたいプロバイダや安いプロバイダなどを光コラボで探したいという人はチェックしてみてください。 ただ集合住宅全体で16契約以上の場合はフレッツ光自体の割引額が大きくなるので、光コラボの方が高くなってしまうこともありえます。16世帯以上ある集合住宅の人は必ずそこもチェックしてください。

あとはデメリットとして、プロバイダに申し込みが殺到している関係で光回線のスピードが遅くなったり、光コラボが始まったばかりで各事業者のサービスが追いつかず電話が繋がらない、対応が微妙などの影響が出ている様なので回線速度やサービスなどにこだわる人は光コラボではない選択肢も考える必要があると思います。

まとめ

単身の引っ越し先で固定通信を選ぶとなると、集合住宅ごとに選べるものと選べないものが始めから決まっているので、実はそこまで選択肢は多くありません。

管理人が全て選べるとしたら、通信スピードも早くて料金もかなり安くなってきた光回線を選びます。ADSLは終わってしまう可能性があるし、ケーブルテレビは料金が安いのですが、将来的に通信速度に不満が増えそうです。

その光回線でも選択肢がたくさんあるので、光回線申し込みたいなという人はこちらの記事もチェックしてみてください。